80 第2主題 「財産管理業務 關聯」에 對하여 具体的な事例の代わりに、死後事務委任契約や不在者財産管理人に関係する東京高裁 の判例がありましたので、そちらを紹介いたします。 【事案の概要】 ⑴ Cは、不在者の子である。Cは令和2年に死亡したが、法定相続人は不在者のみである。 ⑵ Xは、C死亡の前日に、Cとの間で死後事務委任契約及び家屋管理契約(以下、こ れらの契約を併せて「本件各契約」という。)を締結した。死後事務委任契約は、C の死亡後、C名義の預貯金を解約し、解約金を受領すること等を委託し、家屋管理 契約は、Cの生存中及びその死亡後、Cが賃借する建物の管理等を委託し、いずれ もXが所定の報酬を取得するものである。 ⑶ 不在者は西暦1910年生まれの男性である。 ⑷ Xは、本件各契約を締結したことにより、不在者の失踪宣告に関する申立権を有 するとして、失踪宣告の申立てをした。 ⑸ 原審は、失踪宣告をすることについて、単なる債権者・債務者は利害関係人に該 当しないとして失踪宣告の申立てを却下した。 ⑹ これに対し、Xが抗告を申し立てた。 【主文】 本件抗告を棄却する。 抗告費用は、抗告人の負担とする。 【理由】(抜粋) 不在者の財産管理については、請求権者として利害関係人の他検察官が規定されて いるのに対し、失踪宣告については、請求権者は利害関係人に限られ、検察官は規定 されていない。これは、不在者の財産管理は、不在者本人の財産の保護のための制度で あって、公益的観点から国家の関与が容認されているのに対し、失踪宣告は、不在者 について死亡したものとみなし、婚姻を解消させ、相続を開始させるという重大な効 力を生じさせるものであるところ、遺族が不在者の帰来を待っているのに国家が死 亡の効果を強要することは穏当ではないという理由に基づくものである。そうであ
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