82 第2主題 「財産管理業務 關聯」에 對하여 れば、民法30条1項の規定する利害関係人については、不在者財産管理人の請求権 者におけるそれよりも制限的に解すべきであって、失踪宣告をすることについての法 律上の利害関係を有する者をいうと解するのが相当である。 これを本件についてみると、抗告人はCに対する債権者であって、不在者がCを相続 したことを前提として不在者に対する債権者になる可能性があるにとどまるから、 不在者につき失踪宣告をすることについて法律上の利害関係を有するとはいえな い。 Cに対する債権者であるとして、Cの相続人である不在者に対して弁済を求める必 要があるというのであれば、不在者について不在者財産管理人の選任を申立て、不在 者財産管理人との間で権利義務の調整を図れば足りるのであり、不在者について失 踪宣告の申立てを行う必要があるとうことはできない。また、不在者財産管理人は、抗 告人との権利義務の調整のために必要がある場合には、不在者につき失踪宣告を請 求することもできるのだから、このように解することにより抗告人に特段の支障が生 ずるともいえない。 したがって、抗告人の主張は採用することができない。 この判例を紹介した「判例時報」という書籍では、その解説者(仮名)が「不在者財産管 理人の職務は、不在者の財産を適切に管理することであって、当然に不在者について失踪 宣告ができると解すべきではないように思われる。『遺族が不在者の帰来を待っているの に』、不在者財産管理人が失踪宣告の申立てをすることは穏当を欠く。本決定のように不 在者財産管理人はその必要がある場合に不在者について失踪宣告の申立てをすることが できると解すべきであろう。」と記しています。 不在者財産管理人の業務の終了は、①不在者が見つかる②財産管理人が選任された③ 管理財産が無くなった④不在者の死亡が確認された⑤不在者に失踪宣告がされたことと なっているため、家庭裁判所からは不在者財産管理人に対し、失踪宣告をそれとなく勧め られることもあるようですが、親族の心情を考えると非常に悩ましい問題です。
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