* 償金は一括払い (例)他の土地上の工作物や竹木を除去したために生じた損害 2. 事前通知の規律の整備 ○他の土地に設備を設置し又は他人の設備を使用する土地の所有者は、あらかじめ(㋐)、その目的、場所及び方法を他の土 地・設備の所有者(㋑)に通知(㋒)しなければならない(新民法213の2Ⅲ)。 ㋐ 通知の相手方が、その目的・場所・方法に鑑みて設備設置使用権の行使に対する準備をするに足りる合理的な期間を置く必要(事案によるが、2週間~ 1か月程度)。 ㋑ 他の土地に設備を設置する場合に、他の土地に所有者とは別の使用者(賃借人等)がいるときは使用者にも通知する必要(新民法213の2Ⅲ)。 他人の設備に所有者とは別の使用者がいたとしても、通知は法律上は求められていないが、使用者への影響も考慮し、事実上通知することが望ましい。 ㋒ 通知の相手方が不特定又は所在不明である場合にも、例外なく通知が必要(簡易裁判所の公示による意思表示(民法98)を活用)。 ※ 設備の設置工事等のために一時的に他の土地を使用する場合には、当該使用についても併せて通知(新民法213の2Ⅳ、209Ⅲ) 3. 償金・費用負担の規律の整備 ⑴ 他の土地への設備設置権 土地の所有者は、他の土地に設備を設置する際に次の損害が生じた場合には、償金を支払う必要。 ① 設備設置工事のために一時的に他の土地を使用する際に、当該土地の所有者・使用者に生じた損害(新民法213の2Ⅳ、209Ⅳ) 28 ② 設備の設置により土地が継続的に使用することができなくなることによって他の土地に生じた損害(新民法213の2Ⅴ) * 償金は1年ごとの定期払が可能 (例)給水管等の設備が地上に設置され、その場所の使用が継続的に制限されることに伴う損害 ※ 償金の支払を要する「損害」は、①については実損害であり、②については設備設置部分の使用料相当額である。事案ごとの判断ではあるが、導管などの設備を地下に設 置し、地上の利用自体は制限しないケースでは、損害が認められないことがあると考えられる。他の土地の所有者等から設備の設置を承諾することに対するいわゆる承諾 料を求められても、応ずる義務はない。 ※ 土地の分割又は一部譲渡に伴い、分割者又は譲渡者の所有地のみに設備の設置しなければならない場合には、②の償金を支払うことを要しない(新民法213の3Ⅰ 後段・Ⅱ)。 ⑵ 他人が所有する設備の使用権 ① 土地の所有者は、その設備の使用開始の際に損害が生じた場合に、償金を支払う必要。 * 償金は一括払い(新民法213の2Ⅵ) (例)設備の接続工事の際に一時的に設備を使用停止したことに伴って生じた損害 ② 土地の所有者は、その利益を受ける割合に応じて、設備の修繕・維持等の費用を負担(新民法213の2Ⅶ) ライフラインの設備の設置・使用権②
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