• 共有物の「管理」の範囲の拡大・明確化(新民法251、252→P31) • 共有物を使用する共有者がいる場合のルールの明確化・合理化(新民法249、252→P32) • 賛否を明らかにしない共有者がいる場合の管理に関するルールの合理化(新民法252Ⅱ→P33) • 所在等不明共有者がいる場合の変更・管理に関するルールの合理化(新民法251Ⅱ、252Ⅱ→P34) • 共有者が選任する共有物の管理者のルールの整備(新民法251、252の2→P35) • 共有の規定と遺産共有持分に関するルールの整備(新民法898Ⅱ→P35) 旧民法における共有物の変更・管理のルール ○各共有者は、持分に応じて共有物を使用することができる(旧民法249)が、共有者相互の関係を調整するため、民法には、 次のルールが定められている。 ① 共有物に変更を加える(農地→ 宅地など)には、共有者全員の同意を要する(旧民法251)。 ② 管理に関する事項(使用する共有者の決定など)は、各共有者の持分の過半数で決する(旧民法252本文)。 ③ 保存行為(補修など)は、各共有者が単独ですることができる(旧民法252ただし書)。 ○ このルールは、相続によって遺産に属する財産が相続人に共有されている場合(遺産共有)にも適用される。 見直しの契機としての所有者不明土地問題 ○相続未登記状態にある土地について戸籍等を調査した結果、数次相続により相続人が多数に上ることや相続人の一部の所在等 が不明となっていることが判明することがある。 → 変更・管理に必要な同意を取り付けることが困難で、土地の利用に支障を来す → 対処方法として共有関係の解消(共有物分割訴訟など)があるが、手続上の負担は軽くない ○旧民法制定後120年以上の間の社会経済情勢の変化に伴い、共有者が土地の所在地から遠く離れていたり、共有者間の 人的関係が希薄化したりして、共有者間で決定を得ることが困難になることも。 ○これらの問題は、相続された土地に限らず、共有物一般に発生し得るため、共有関係を解消しないままであっても、共有物の円滑 な利用を可能にすることが重要となる。 * 民法の共有物の変更・管理の規定を、社会経済情勢の変化に合わせて合理的なものに改正する必要 改正の概要 30 共有物の変更・管理に関する見直し
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