時価相当額を持分に応じて 按分した額の供託 3か月以上の異議届出 期間・公告の実施 Aによる申立て・ 証拠提出 A・B→第三者 土地全体を売却 C持分の譲渡権限を Aに付与する裁判 ・管轄裁判所は不動産の所在地の地方裁判所 ・所在等不明の証明が必要 時価の算定にあたっては、第三者に 売却する際に見込まれる売却額等 を考慮 問題の所在 ○不動産の共有持分を売却して得る代金よりも、不動産全体を売却し、持分に応じて受け取る代金の方が高額になりやすいが、所在等 不明共有者(必要な調査を尽くしても氏名等や所在が不明な共有者)がいると、不動産全体を売却することは不可能 ○共有物分割や持分取得制度(→P37)により、所在等不明共有者の持分を他の共有者に移転し、共有物全体を売却することがで きるが、売却した上で代金を按分することを予定しているのに、共有者に持分を一旦移転するのは迂遠であり、手間や費用を要する。 改正法 ○ 裁判所の決定によって、申立てをした共有者に、所在等不明共有者の不動産の持分を譲渡する権限を付与する制度を創設 (新民法262の3) ○譲渡権限は、所在等不明共有者以外の共有者全員が持分の全部を譲渡することを停止条件とするものであり、不動産全体を特定 の第三者に譲渡するケースでのみ行使可能(一部の共有者が持分の譲渡を拒む場合には、条件が成就せず、譲渡をすることができない) ○ 所在等不明共有者の持分は、直接、譲渡の相手方に移転(申立てをした共有者がいったん取得するものではない) ※ 所在等不明共有者は、譲渡権限を行使した共有者に対する不動産の時価相当額のうち持分に応じた額の支払請求権を取得(実際には供託金から支払 を受ける。実際の時価に応じた額が供託金より高額である場合には、別途訴訟を提起するなどして請求可能) ※ 遺産共有のケースでは、相続開始から10年を経過しなければ、利用不可(新民法262の3Ⅱ)→P50参照 ※ 不動産の譲渡には、裁判を得た上で、別途、裁判外での売買契約等の譲渡行為が必要。譲渡行為は、裁判の効力発生時(即時抗告期間の経過などに より裁判が確定した時)から原則2か月以内(裁判所が伸長することは可能)にしなければならない。 手続の流れ (例)土地の共有者A、B、CのうちCが所在等不明である場合に、Aの申立てにより土地全体を第三者に売却するケース 誰に、いくらで譲渡するかは、所在等不明 共有者以外の共有者の判断による 38 所在等不明共有者の不動産の持分の譲渡
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