【管理不全土地・建物の例】 ○ひび割れ・破損が生じている擁壁を土地所有者が放置しており、隣地に倒壊するおそれがあるケース ○ゴミが不法投棄された土地を所有者が放置しており、臭気や害虫発生による健康被害を生じているケース 管理不全土地・建物への対応 ○所有者による管理が適切に行われず、荒廃・老朽化等によって危険を生じさせる管理不全状態にある土地・建物は、近隣に悪影響 を与えることがある。 ○ このような土地・建物は、所有者の所在が判明している場合でも問題となる。 問題の所在 改正法 現行民法では、危険な管理不全土地・建物については、物権的 請求権や不法行為に基づく損害賠償請求権等の権利に基づき、 訴えを提起して判決を得、強制執行をすることによって対応 しかし、管理不全状態にある不動産の所有者に代わって管理を行 う者を選任する仕組みは存在しないため、対応が硬直化 • 管理不全土地・建物について継続的な管理を行うことができない。 • 実際の状態を踏まえて適切な管理措置を講ずることが困難。 申立権者・発令要件等 ○管理不全土地・建物の管理についての利害関係を有する利害関係人が申立権を有する。利害関係の有無は、個別の事案に応じて 裁判所が判断。 ※ 市町村長には管理不全土地管理命令・管理不全建物管理命令の申立権の特例あり(R4改正所有者不明土地特措法42Ⅲ~Ⅴ)。 ○所有者による土地又は建物の管理が不適当であることによって、他人の権利・法的利益が侵害され、又はそのおそれがあり、土地・ 建物の管理状況等に照らし、管理人による管理の必要性が認められる場合に発令。 ※ 所有者が発令に反対していても、法律上は発令可能。もっとも、所有者がそこに居住しており、管理行為を妨害することが予想されるなど、管理人による実 効的管理が期待できないときは、管理命令ではなく、従来どおり訴訟(物権的請求権の行使等)によって対応することが適切。 ※ 区分所有建物については、管理不全建物管理制度は適用されない(新区分所有法6Ⅳ)。 【利害関係人に当たり得る者の例】 ○倒壊のおそれが生じている隣地所有者 ○被害を受けている者 41 管理不全土地・建物について、裁判所が、利害関係人の 請求により、管理人による管理を命ずる処分を可能とする管 理不全土地・建物管理制度を創設(新民法264の9~264の 14)。 ⇒ 管理人を通じて適切な管理を行い、管理不全状態を解 消 することが可能に 管理不全土地・建物管理制度①
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