○旧民法は、相続財産が相続人によって管理されないケースに対 応するために、家庭裁判所が、相続財産の管理人を選任するな ど相続財産の保存に必要な処分をすることができる仕組みを相続 の段階ごとに設けている。 ○ しかし、共同相続人による遺産共有状態であるケースや、 相続人のあることが明らかでないケースについては、規定がなく、 相続財産の保存に必要な処分ができない。 問題の所在 • 相続人が相続の承認又は放棄をするまで(旧民法918Ⅱ) • 限定承認がされた後(旧民法926Ⅱ) • 相続の放棄後次順位者への引継ぎ前(旧民法940Ⅱ) 改正法 問題の所在 相続の放棄をした者の管理義務の明確化 不在者の財産の管理の合理化 相続開始 限定承認後 相続人不分明 単純承認後 遺産分割前 相続の放棄後 財産引継ぎ前 改正により可能に 旧民法でも可能 相続財産の保存のための相続財産管理制度の見直し 改正法 改正法 問題の所在 45 ○旧民法上、相続の放棄をした者は、相続財産の管理を継続 しなければならないとされている(旧民法940Ⅰ)。 ○しかし、管理継続義務の発生要件や内容が明らかでないた め、相続の放棄をしたのに過剰な負担を強いられるケースも。 ○不在者財産管理人による管理、処分等により金銭が生じた 場合に、職務を終了できず、管理が長期化。 ○不在者財産管理人による供託の規律を新設(新家事法 146の2)。供託をしたときは公告をする必要。 * 適時に職務を終了させることが可能に。 ※ 相続財産の保存に必要な処分により選任された相続財産管理人に ついても、同様に、供託の規律を新設 ○相続の放棄の時に現に占有している相続財産につき、相続 人(法定相続人全員が放棄した場合は、相続財産の清算 人)に対して当該財産を引き渡すまでの間、その財産を保存 しなければならないことを明記(新民法940Ⅰ) 。 相続の承認/放棄前 ○相続が開始すれば、相続の段階にかかわらず、いつでも、家庭 裁判所は、相続財産の管理人の選任その他の相続財産の保 存に必要な処分をすることができるとの包括的な制度に改正 (新民法897の2)。 財産管理制度に関するその他の見直し
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