第 19 回日韓学術交流研究会 第1主題 (質問) 5. 報酬票を自律化した司法書士が、現在報酬自律化を推進しようとしている大韓法務士協会に していただけるアドバイスがあるとしたら? (回答) 日本の司法書士報酬の自律化・自由化も、その実施前は、特に司法書士側から鋭い批判があ り、中には、司法書士制度の危機的状況であるという声すら存在しました。しかし、当時の司法書 士が社会要請に応え、日々、多種多様な業務を迅速にこなさなければならなくなっている中で、上 から一律に従来からある事件類型別に報酬額が固定されているのでは、個々の司法書士において 身動きが取れない、さらに今後はその状況が悪化するだろうという懸念の声が上がっていたのも、また 事実です。そこで、司法書士報酬の自律化・自由化という社会要請のもと、多忙な中で多くの真面 目な司法書士が個々に自らの業務を精査して適正水準の報酬を模索し、全体として何とか上手く 乗り切っているというのが、日本の司法書士の現状です。このような局面では、社会要請に従いつつ、 危機的状況をチャンス(良い機会)に変えていくという発想が、大事であろうと思います。 他方、債務整理事件の分野や法律扶助事件の分野等、独占禁止法の正当化理由が成り立 つ分野では、報酬に係る一定の規制が残存しています。こうした分野にまで報酬の自由化・自律化 を及ぼすのは、法律家が市場の失敗を自ら引き起こすも同然であり、やはり、消極であるべきでしょう。 無論、一定の規制を残すべき分野がある場合は、その規制の及ぶ範囲や規制の在り方につき丁寧 に検討した上で、規制の在り方につき自ら提言していく姿勢が求められます。 34
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