第19回日韓学術交流研究会 第2主題 ◈ 自筆署名情報提供違反のケースは、自筆署名情報を提供しない場合と、虚偽の自筆署名情 報を提供する場合が考えられます。 自筆署名情報は、登記を申請する場合にその申請情報とともに添付情報として登記所に提供しな ければならないので、登記申請をしながらこれを提供しなければ登記に必要な添付情報を提供しな かったことになり、登記申請が却下されます。 もし虚偽の自筆署名情報を提供して登記が咬合された場合、その登記は有効です。虚偽の自筆 署名情報提供に対する処罰規定はなく、法務士は法務士規則違反で懲戒される可能性がありま す。また、虚偽の自筆署名情報を提供して行われた登記が不正登記の場合、法務士は委任者確 認義務違反で民事上の損害賠償責任を負うことになります。 14. 法務士の記録保存義務があるのであれば、その内容と保存期間をご教示ください。 ◈ 法務士は事件簿を備えておき、事件を委任されたら1ヶ月以内に事件簿に委任された順序に従っ て委任された年月日、事件名、報酬額、委任者の住所と氏名、委任者の確認方法、終結日を記 さなければならず、事件簿はその委任事務終了日の翌年から5年間保存しなければなりません(法務士 法第22条、法務士規則第35条)。. 一方、顧客の法務士に対する職務上保管した書類の返還を請求する債権は3年間行使しなけ れば消滅時効が完成しますので(民法第163条第4号)、法務士が顧客から受け取った書類は3 年間保管しなければなりません。 86
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