しなければならない裁判業務とは対照的であり、このような司法書士の得意な立ち位置を 生かした業務の行い方もあると筆者は考えています。 また、来年に予定されている裁判の IT 化の完全施行により、代理人によらない本人訴 訟が増えると考えられています。雑談の中で出た情報ではありますが、一部の弁護士から は、裁判 IT化によって裁判業務のほとんどが司法書士に取られるのではないかと懸念する 声が挙がっているようです。その根拠は、司法書士が登記業務でオンライン申請に慣れて いることと、これまで裁判書類作成業務を通して本人訴訟支援を行ってきたことの 2 点で す。この視点は、私たち司法書士自身も気づいていなかった弁護士業務との差別化ポイン トになる可能性があると考えています。 国民の利便性を高めるためにも、司法書士の裁判分野における権限強化は重要ですが、 同時に「中立的な立場」といった司法書士独自の立ち位置を活かすこと、そして裁判 IT 化の流れの中で本人訴訟支援のノウハウを活かしていくことが、司法書士の将来展望の鍵 となると考えています。 【質問5】 現在、日本司法書士会連合会としては、熊本モデルのような具体的な取り組みは他には 計画していない状況ですが、裁判業務に関する取り組みとしては、訴額が少額で、訴訟経 済上メリットが小さくなってしまう裁判に対する少額裁判報酬助成制度を実施しておりま す 。また、今後に予定されている裁判IT化後の本人訴訟支援を見据え、システムの操作 サポートに関する報奨金制度の検討も進められているところです 。 これらとは別に、司法書士の権限拡大についても鋭意取り組んでおりますが、権限拡大 を実現するためには、司法書士の裁判業務関与率を今よりも向上させ、「司法書士に権限を 与える必要性がある」という立法事実を創出していかなければなりません 。 制度の発展と国民の利便性向上を目指し、今後も日本司法書士会連合会として、足元に ある細かな課題を一つひとつ拾う動きをしっかりとっていきたいと思います。
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