第20回 韓·日 學術交流會 (2025. 11. 21.) 183 2) デジタル遺言の導入 スマート機器などで作成されたデジタル遺言の効力認定についての議論が活発で す。 大法院の判例は上で見たように、19)これに対しては未だ保守的な立場を取って いますが、多くの専門家は「電子文書および電子取引基本法」などに基づいてその有 効性を認めることができ、20)これの活性化のために公認電子文書保管センターに保 存された場合、遺言公証の効力を付与するなどの制度的装置が必要だと提案しなが ら、デジタル時代に合う新しい遺言方式を導入することを議論しています。 3) 遺言書保管制度の新設 自筆遺言状の紛失、偽造・変造、毀損の危険を根本的に解決するためには、日本の ように法務局や公的機関が遺言書を安全に保管してくれる制度21)を導入しなければ ならないという主張が専門家の間で提起されていますので、このような遺言書保管 制度が遺言の偽造·変造防止など、実際にその実効性があるのか、ひいては遺言利用 を促進する機能をどれだけしているのかを把握し、韓国の立法政策に活用すれば非 常に有用でしょう。 4) 遺言執行者の権限の明確化 遺言執行者の権限が民法上不明確で、相続人との紛争がしばしば発生しますが、日 本は2018年の相続法改正を通じて遺言執行者が登記手続きを単独で進める権限を 明確にしていますので22)、日本はこのような改正を通じて遺言執行者の役割が具体 化され、遺言の執行がより迅速かつ円滑に行われるようになったと言えるでしょう。 19) 前掲大法院2010.10.28.言渡2008ダ70402判決ご参照 20) 判例の立場に対する批判的見解としては、イ·ジョンドク、デジタル時代の到来に伴う遺言方式に対する訴稿スマート機器を利用した自筆遺言を中心に-、(社)韓国法政策学会法と政策研究、第20集第4号、20202.12.ご 参照;この見解によれば、自筆の電子文書で作成された遺言に関連して民法上自筆証書の要件である①遺言全 文と年月日、住所、氏名に対する自筆性、②文書性、③捺印が問題になりますが、電子文書法第4条第1項と電子 署名法第3条に基づき、自筆証書としての要件を具備するものと評価できるとされています。 21) クァク·ミンヒ、ジョン·グテ、前掲論文、139頁;法務局で遺言書を保管する利点としては、全国単位で一律的な 保管サービスを提供でき、プライバシーを確保でき、さらに相続登記の促進と連携できる点を挙げています。 22) 主な改正内容としては、遺言執行者の包括的権限を明示し(日本改正民法第1012条)、相続人の妨害行為を禁 止し(日本改正民法第1013条)、復任権を明確化(日本改正民法第1016条)しただけでなく、遺言執行者が権 限内で行った行為の効力が相続人に直接及ぶこと(日本改正民法第1015条)を明らかにし、遺言執行者の法 的地位と行為の効力を強化したことなどが挙げられます。
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