법무연구 8권(2020.9)
초고령화 사회에 대비한 자산 관리 및 분쟁 방지를 위한 신탁 제도 / 鯨井 康夫 297 3. その他 ⑴ 日本においては家業承 継 のための信託の場合、遺留分に 関 する民法の特別 法を制定して遺留分返還請求 権 を制限していると理解していますが、遺言 代用信託と遺留分返還請求 権 との 関 係は、いかがですか。 ご質問は、「事業承 継 を円滑に行うための遺留分に 関 する民法の特例」のことを言わ れているのだと思います。 この特例は、中小企業者が事業承 継 にあたって、相 続 人の一人たる後 継 者に自社株式 を承 継 しようとする際に、他の遺留分を有する相 続 人から、相 続 時の評 価 額による遺 留分減殺請求を受けることによる財産の分散の結果、事業承 継 が困難になる事態を防 止するためにものです。 この特例を活用すると、後 継 者を含めた現 経営 者の遺留分を有する相 続 人全員の合 意のうえで、現 経営 者から後 継 者に贈 与 等がされた自社株式について、遺留分算定の 基礎財産から除外したり、あるいは、基礎財産に 参 入する 価 額を合意時の時 価 に固定 することができる、というものです。 なお、贈 与 等というのは、「 当 該後 継 者が 当 該 旧 代表者から受けた贈 与 又はその者からの相 続 、遺贈若しくは贈 与 」(中小企業にお ける 経営 の承 継 の円滑化に 関 する法律4 条 1項)のことをいいます。 よって、これ は信託に 関 する特例として設けられたものではありません。 また、この「贈 与 」に信託受益 権 の 譲 渡が含まれるかどうかは先例も見 当 たりませ んし、判然としません。 信託も含む場合には、政省令等でその旨を定めるのが一般的 だと思いますが、これがない以上、信託は含まれないと考えるほかないと思います。 よって、信託によっても、遺留分 権 利者からの減殺請求 権 の行使を排除することはで きません。 ですから、家業の円 満 な承 継 を 図 るためには、遺留分減殺請求 権 を行使さ れた時の影響等を考慮したスキームを提案する必要があります。 例えば、自社株を信託し、議決 権 行使に 関 する指 図権 を後 継 者に 与 えるとか、無議決 権 株式を 発 行し、これを後 継 者以外の遺留分を有する相 続 人に 与 えるようなスキー ムを組むことで解決できるケースが多いのではないでしょうか。
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